最近、名作や話題作のネタバレを踏み抜きがちな私です。なんでそういう情報って一瞬で目に焼き付くんでしょうね。普段大して働いていないだろう私の網膜めっちゃ仕事する。難しい本の内容はつるんつるんに目が滑るのに。
先日も読んでいるシリーズどこまで買ったっけと本屋であらすじを確認していると、がっつり登場人物の訃報が書いてあって、しばらく動けなくなりました。
公式にネタバレ喰らうとは思わないよね。
前置きが長くなりましたが、妙なネタバレ踏む前に名作ミステリーを読んでしまえ！と思った私が先日着手したのがこちら。
天才的で変態的と名高いトリックを次々投げつけてくる、島田荘司さんの有名すぎる作品。実は未読でした。というのも「序盤のちょっと何言ってるかわかんないですが異常（要約）」という意見があまりにも多かったので、普通に怯んでいました。
同時に「それ故に後半の鮮やかすぎるカタルシスの解放は必読」がセットなんですけどね。ミステリーのランキングで常に上位にランクインする王者の風格あるぅ…
密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女＝アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作。
講談社BOOK CLUB HPより
おお、良質な肉片の気配がするなと重い腰を上げて読み始めました。
なるほど手強い。
まず登場人物の女性陣の名前がもう初見殺し。依頼人の実沙子から始まり、犠牲者の知子秋子雪子時子礼子そしてその母昌子！！！犠牲者はもう少しいますが登場人物覚えるの苦手奴の私もう涙目。
名前が曖昧すぎて、途中そこそこ重大な御手洗探偵の満を持した告発にもﾊｲﾊｲｼｯﾃﾙ！ｼｯﾃﾙﾈｰ！状態で冷や汗かきました。
でもやっぱりすごい。
日本人総出で40年考えても解決できなかった大事件に御手洗探偵が挑むので、否が応にも謎解きのハードルは上がって行くわけですが。トリックは大胆なのに、解決の糸口はシンプルなのが個人的には良かった。
余韻の残るラストも好き。
トリックそのものは私程度の脳みそじゃ一回で理解しきれなかったので、何度か読み返しまたが、なんとなくでも十分面白い。
噂通り序盤そこそこの量、占星術がらみの手記が入ります。どっぷり浸るも良し、ﾊｲﾊｲﾅﾙﾎﾄﾞﾈｰ！てな感じに、すんっと読んでも物語の面白さは損なわれないのでご安心を…！
この作品、金田一少年の事件簿で強烈なネタバレ喰らった方もいるようなので、興味は新鮮なうちに！ネタバレを踏む前に！読んでいただけたら！
本の感想を書くのって難しいですよね。どこまで書くものか毎回悩んで、結局「はーい好き！」「すんごい面白い！」などの単純な気持ちが抽出され、ただただ愛を散らかして終わることが多いです。
全ての物書きの方々にリスペクトを込めて、今日は終わります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
コメント
「んん？覚悟が必要な作品だったっけ？」と興味を惹かれて拝読しました。
あ～そういえば… 今思うと文章 というか文体が少しとっつきにくいのでしょうか？
私は結構前に読んだ為か、あのカンジにも「良い雰囲気！」とプラスに働きましたｗ
（その後に『金田一少年』見て「ナニこれ⁈盗作じゃん‼」って憤慨しましたが、その時トリックには著作権がないって知って驚愕したの覚えてます）
御手洗氏のエキセントリックさも凄く好きで シリーズ追っかけてました。
（シリーズ重ねるごとに↑磨きがかかっちゃうんですが）
懐かしいなーー また読み返したくなっちゃった✨
私もおんなじ理由で本の感想書くの全然ダメです。
特にミステリーは激ムズですよね……
コメントありがとうございます！
私、島田荘司先生自体が初読だったのですが文体とかテンポは好きでした！
この作品は特に有名故の前評判で「難解です」みたいな先入観がありましたね、もっと早くに読んだら良かった…！
御手洗潔は、安楽椅子探偵にあたるんでしょうかね？のんびりシリーズ追いかけて行きたいです！