第77回日本推理作家協会賞にジョセフ・ノックスの『トゥルー・クライム・ストーリー』が選ばれましたねー!つい最近読んだ本なので嬉しかったです。
これ一見、怯むくらいゴツいんです。ちょっと気楽に持ち歩ける重さではない。そこそこの攻撃力ある護身アイテムとして装備できるレベル。700ページ也。
でも一度読み始めたら少々無理してでも持って出てしまうくらい面白い&読みやすい。
マンチェスター大学の学生寮から女子学生ゾーイが姿を消して6年が経過していた。イヴリンはこの失踪事件にとり憑かれ、関係者への取材と執筆を開始。作家仲間ジョセフ・ノックスに助言を仰ぐ。だが、拉致犯特定の証拠を入手直後、彼女は帰らぬ人に。ノックスは遺稿をもとに犯罪ノンフィクションを完成させたが――。被害者も関係者も、作者すら信用できない、サスペンス・ノワールの問題作
新潮社HPより
ん?作家仲間のジョセフ・ノックス…?この本の作者?あらすじを読んでもわかったようなわからないような不思議な感覚で読み始めました。
とにかくこの本は構成が凝っていて好きでした。インタビュー形式で話が進む感じは『自由研究には向かない殺人』でお馴染みホリー・ジャクソンのピップ3部作に読み口が似ているなと思いました。こちらも名作オブ名作。
作家として成功したいイヴリンはこの事件を追って行くわけですが、ずっとついてまわる不穏。最後まで。そう、最後の最後まで!
10人読んで10人が納得する終わりではないと思うし(そんな作品の方が稀かもしれませんが)「ねえこれ一体何エンド?」と思わず読後に考察ブログや読了ツイートを検索しまくる作業、それも含めて私は楽しみました。問題作と言われているだけある、とんだ暴れ馬です。
内容ももちろんですが、本が好きな人同士で、ああでもない、こうでもない、好きだの嫌いだの言い合う余地のある作品っていいですよね。
定期的に不穏な本を摂取していないと呼吸が浅くなる私は、いつでも苦しい読書体験募集中です。人から軽率に本をおすすめされたい。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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