いい気候ですね。年中これくらい過ごしやすかったらいいのに。
読書の秋と人は言いますが、私が最も読書が捗るのは春です。まさに今。特にお天気が良いなどすれば、なおよい。春だから浮かれて、新しいジャンルに興味が湧いてくるからかもしれません。
それでも読めない時というのはあるもので、働いている時は尚更。
一旦読書から離れてしまったら、いくらでも距離を取ることができてしまうのが本。そんな時はお粥みたいな本を読んでやり過ごしています。お粥本についてはまた後日語るとして、今日は三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が面白かったので紹介します。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
集英社HPより
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
明治から現代にいたるまでの世相と読書の関わり方がどうだったのかが綴られていて、初めて知ることも多い。自己啓発本って明治時代からあったって、凄いですよね。
明治、戦時中、戦後、1950年代以降は10年ごとに区切られ、時代の推移と本、そして労働の関係性が丁寧に解説されています。
「へー読書マウントって大昔からあったんだな」とか「2000年代って最近だと思ってたらもう20年前?死んだ」など関係ないことを思いつつ興味深く読んでいたら、後半の筆者の主張がアツくて良かった…
最終章「全身全霊」をやめませんか?には、三宅さんの労働と本を読むことへの姿勢と願いが綴られています。難しいことだと思うけれど、この本がたくさんの人の目に届いたらいいなと思いながら読了。
だからこそ本を読むと、他者の文脈に触れることができる。自分から遠く離れた文脈に触れることーーーそれが読書なのである。(略)この世の知識はいつかどこかで自分につながってくると思っている。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」P234,236より抜粋
これは私も本を読む上で常に思っています。今読んでいるものがいつか自分が生きている上でふとした時に大切になるかもしれないという意識。
とか言いながら、積読の中のすんごい人が死ぬ本(ミステリーと言え)やら希少民族の本やら昆虫の本やらがこの先私の人生にどう関わってくるかは定かではありません。
読書は娯楽!楽しいが一番!今日も明日も人が死ぬ本読むよ!
人からおすすめしていただいた本を端から読むとなるとどうしても小説に偏りがちですが、新書には新書の良さがありますよね。
今日はこんなところで。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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